山陰労災病院の話し

 とうとう7月になりました。7月1日付けの新聞に山陰労災病院の新診療棟の完成がニュースに出ています(山陰労災病院の新診療棟完成 きょうから本格運用 | 日本海新聞 NetNihonkai (nnn.co.jp)※記事は会員制です)。たまに救急搬送の同乗で労災病院の新棟の救急外来に行かせて頂くことがあります。私のような方向音痴には旧棟と新棟の位置関係が分からず、帰りに迷子になったりすることがありますが、旧棟が取り壊されるまではそういった事態が続くかもしれません。

 父と私は労災病院とは微妙に縁があります。昭和38年に山陰労災病院は開院しましたが、当時の鳥取大学第一内科から私の父が派遣され、設立時の最初の医師、内科医として勤務しておりました。私は以前にもブログに書きましたが、山陰労災病院の卒後初期臨床研修制度の一期生でした。私の前の年までは、医学部を卒業するとその大半は、希望する大学の各診療科(消化器内科、循環器内科の各内科や外科、泌尿器科、皮膚科、耳鼻咽喉科など)にそのまま配属するのが普通でした。しかし私の卒業した年から卒後臨床研修制度が義務づけられ、2年間、各内科、外科をローテーションすることが必須となり、山陰労災病院も初期臨床研修医を初めて受け入れることになりました。産婦人科、小児科もローテーションが義務づけられてましたが、当時の労災病院にはありませんでしたので、それに関しては博愛病院や医療センターに行って研修させていただきました。

 とにかく何も出来ないやつでしたので、先生や看護師さんもどう自分を扱っていいか分からないし、自分自身もどう振舞ってよいか分からず毎日失敗ばかりでしたが、常に頼りがいのある先生方の背中ばかりみてました。今なら分からないことはネットで論文等を検索して勉強してますが、その時期はまだネット環境もよくありませんでしたので、先生方のやっていること、言ってることを常にメモして、それを仕事が終わってから夕方見直したり、夜中に教科書を読んだりする日々でした。労災病院の今の研修医がどんな生活を送っているか分かりません。私の送った研修医生活はテレビでみるような有名病院の研修医の生活とは全く異なり古くさいものでしたが、振り返ってみると今の自分にとってそんな無駄ではなかったように思います。

 本当は研修医時代の恩返しをするつもりで労災病院で勤務医を終えたかったですが、それは叶いませんでした。今はお世話になった先生方が大分退職され、病棟も変わってしまいましたが、母校のような気持ちを労災病院には持ってます。もう少しコロナ感染症が収束したいつの日か、機会があれば是非新しい労災病院をじっくり見学しに行くのを楽しみにしてます。

 

人は見た目が9割?

 元々自分の髪型や服装、身だしなみに無頓着な人間ですが、開業医になって若干考え方を変えました。勤務医の時はどうせ自分のことなんか誰も注目していやしない、俺は容姿での勝負はすでに諦めている、という信念のもと、2、3日ヒゲを剃らず、自分の顔も鏡で大して見ることはなく、毎日診療に出てました。しかし開業医になってからは自分が院長、病院の代表ですので、さすがにある程度は清潔感がないのはまずい、ということで、毎朝鏡をみてちゃんとヒゲを剃ったり、寝ぐせを直したり、と至極当然のことをするようになりました。

 若い頃、入院中のある患者さんから『ヒゲの濃い兄ちゃん』と言われていたことがあります。でも私はヒゲが濃いという自覚がその当時全くありませんでしたので、『誰ですか、それは?誰かと勘違いしてませんか?』と普通に聞き返していて、1ヶ月後くらいに自分のことだと気づいて驚いた記憶があります。最近はヒゲの医療脱毛をクリニックでもされているところが多いですが(当院では行う予定はありません)、私はヒゲが濃いので毎朝剃るのに時間がかかりますし、手間が省けることを考えると脱毛を受けるメリットは理解できます。ただし、近い将来、頭の髪の毛が本格的に薄くなった時に、ヒゲもないとなんだか全体的により寂しい感じのオジサンになることが予想されますので、多分今後も私が受けることはないと思います。

 見た目、という点では患者さんを診る点でも大事なことがあります。これは容姿、身なりを指している訳ではありません。患者さんの様子です。例えば、冷汗、苦悶様の表情、顔色不良を認めるような患者さんをみれば、その場で行った検査(心電図など)では特に問題なくてもこれはきっと重篤な病気が隠れているだろうと考えて、治療と並行して必死にその原因を探します。見た目の重篤感、というのは非常に大事に思っています。また、普段の診療でも患者さんが診察室に入ってくる様子に注目してます。スムーズに入ってこれるか、息切れをしてないか、どこか痛がる様子をしてないか、そういった情報に重要なヒントが隠されていることがありますので、入室される様子は必ずじっくり観察します。例えば、突然の背中の痛みで緊急で受診される患者さんがいたとします。その患者さんが診察室に痛そうな表情を浮かべながら、片方の手で同側の背中、腰の付近をおさえながら入ってくると、まずは尿管結石を予想して、問診をしたり検査をオーダーしていきます。もちろん本人の訴えは一番大事ですが、『見た目』も大事となります。

 暑い時期になり、熱中症も増えてきました。特に当院で多いと感じるのは高齢者の方の自宅での熱中症です。高齢者の方は暑さやのどの渇きを感じにくくなるため、冷房を避けることが多く、脱水になりやすいという特徴があります。熱い日の夕方頃から食事がとれなくなってきた、などの症状には熱中症が含まれていることがあります。普段の冷房などの適切な室温等の管理が重要なことは間違いないですが、本人が大丈夫、といっても『いつもと様子が違う』、ということを家族の方に気づいて頂くことが大事になることがあります。何か心配なことがありましたら、いつでも当院にご連絡ください。

 

 

梅雨時期に思うこと

 もう6月に突入しました。考えてみれば2023年の上半期を折り返そうとしてますので、本当に月日の早さに驚きます。梅雨入りは中国地方もとっくにしてますが、往診や訪問診療をしていると今の天気や雲行きが気になります。私は普段から傘をさす習慣があまりありませんので、自宅に帰るだけくらいならずぶ濡れでもよいのですが、さすがにそれで患者さん宅にあがる訳にはいきませんので、こういった時だけは往診カバン含め濡れないよう傘をさして出かけます。また一緒に看護師さんも同行して行きますから、一緒に行って大雨だとお互いテンションが多少下がりますので、時間があるとスマホで雨雲レーダー、天気予報をよくみてます。

 この時期、私が気になるのは低気圧の接近です。私は元々頭痛持ちでして、低気圧が近づくとかなり頭痛がひどくなることがあります。症状によっては音や振動が来るだけで厳しいですので、仕事が終わるまではなんとか我慢し、職員が帰った後はソッコー2階の院長室(一応あるんです)のソファーですぐ横になっています。こういった時に外来にたまたま頭痛の患者さんが来院され、患者さんの話しを聴くときはなかなかつらいものがあります。特に本当に重い頭痛の患者さんの話しを聴いていると一緒に自分もつらくなり自分のほうが横になりたい気持ちになりますが、これは頭痛持ちの方は理解して頂けるかもしれません。

 昔学生時代に頭痛がひどく、近所の公立の病院の救急外来を受診したことがあります。比較的大きな病院の救急外来ではよくある話しですが、最初に看護師さんから問診を受け、つぎにおそらく研修医の先生、最後に担当医(指導医、上級医)の先生の問診、診察を受けました。これは意味がありまして、看護師さんの問診は重症度を決めて、場合によっては診察順番を早くする(トリアージ)ことが目的です。救急外来は大学病院だけではなく、比較的大きな一般病院でも研修医が学ぶ場、また活躍する場でもあります。研修医の先生が問診を行い、疑わしい病気を考えた上で、それに沿った検査項目や治療内容を考えて、指導医、上級医の先生が最終的にcheckするような仕組みになっています。そういうシステムは理解していますが、ひどい頭痛の時の時同じような問診を何回も受けるのはつらいものがあります。私は急患の患者さんを診るときは、一応そういったことも配慮して、問診が自分だけで済むように配慮することがあります。

 雨が鬱陶しい6月ではありますが、実は嫌いではありません。昔学生の頃だったかいつか忘れましたが、鎌倉の長谷寺に行き、見事に咲き誇るあじさいをみながら散策したことがあり、梅雨の印象が変わった記憶があります。そして、6月は何より自分の誕生月でもあります。まあ、これがこのブログで一番言いたかったことなのですが、なかなか言いたいことを書くところまで行き着くのは難しいものですね。長文になりました。お祝いなど特に遠慮しませんので、お待ちしてます(嘘です)。

昔の名前で出ています

 当院は『医療法人社団 山田内科医院』という名前ですが、自分が院長になった時に名称変更も少し考えました。理由は二つありまして、まずは名称変更することで院長が交代したことを近隣の方を含め周知して頂くことです。もう一つは私は内科専門医、循環器内科専門医ですが、その他の一般内科含めたプライマリーケア(何でも相談できる窓口、総合診療)や訪問診療もやってますので、その辺りの理念であったり、診療科を具体的でなくてもイメージできるような名前がよいかも、と一時期考えておりました。

 しかしこの名称変更、手続きが保健所さんや厚生局の書類作成など結構面倒のようです。また周知の仕方が十分にうまくいってないと『前に錦町にあった山田内科っていつの間にか廃院になったの?』という誤解にもつながりませんし、土地柄、特に高齢の患者さんが多いので、混乱の原因にもなりかねません。ただ変更しなかったことの一番大きな理由というのは、親から引き継いだものを守るということが私にとっての最大の親孝行だと思っていたことが大きいです。漫画の話しで恐縮ですが、私の大好きな漫画で『ジョジョの奇妙な冒険』という作品があります。現在第9部が連載中で、主人公の愛称・略称はジョジョ(JOJO)ですが、各部の主人公はそれぞれ別の人物です。特に第1部から第6部までは基本的に同じ血統の一族、ジョースター家にまつわるお話しになっています。題名はずっと変わりませんが(副題はそれぞれの部で変わります)、主人公が世代交代していくのもこの作品の魅力の一つで、こういったことにも影響を受け(すげー単純)、結局現在の『医療法人社団 山田内科医院』の名称のまま引き継ぎ、診療させて頂いてます。

 名称変更せずに困ることもあります。全国に『山田医院』、『山田内科医院』は何軒もありますので、ホームページ作成当初は検索してもなかなか当院にたどりつかないということがありました。これは検索順位が上昇したのと、位置情報などによって近隣の『山田内科医院』にたどり着きますので最近はそれに関しては困らなくなりました。しかしここ最近また困る事象に遭遇するようになりました。全く違う街の『山田医院』と勘違いされて、電話がかかってくることがあるのです。先日も午後7時過ぎに『10歳の息子が足を怪我したので見てほしい』という問い合わせがありました。どこも多分診療時間外でしたので、とりあえず診させて頂くことでお話しをしていましたが、よく話しをしてみると富山県射水市の『山田医院』と間違えて電話されていたようです。

 昔のようにタウンページでも見ながら自分で電話番号を打てば、鳥取県の当院に間違い電話をすることはないと思いますが、現在はネットからワンクリックで通話出来ますので、特に時間外で本人さんや家族さんが慌てている場合はあり得るのかな、と思っています。こういった間違い電話は実は1回だけではなく、少なくとも2、3回はあります。なので時間外診療では正確な住所は来院してから確認する場合もありますが、間違いの確認のため、とりあえず『どちらにお住まいですか?』という質問は最近早めにするようにしました。

 こういったケースで更に考えることは当院に連絡するつもりが、全国のどこかの『山田医院』、『山田内科医院』さんに迷惑をかけているかもしれないということです。これは確認は出来ませんが、以上のことから少なくともお互いの医院のために時間外でも電話対応は特に丁寧にする、ということは心がけています(のつもりです)。ということで全国の『山田医院』、『山田内科医院』さん。このブログ、見ておられないと思いますが、万が一迷惑をかけることがありましたら、対応の程よろしくお願いします。

急患診療所

 西部医師会急患診療所、というところがあるのを皆さんはご存じでしょうか?久米町の西部医師会館内にあり、平日の夜間、日曜・祝日に軽症の内科、小児科の患者さんを対応する診療所で、主に鳥取県西部医師会に所属する開業医の医師が担当して対応しています。今晩は私が当番医でしたが、今回が初めての当番でした。子供の頃、父親が夜なかなか帰って来ない時は急患診療所の当番の日であったことを懐かしく思い出しました(朝日町に飲みに出かけたり、パチンコに行ったりもあったと思いますが)。何十年も経って今度は自分が当番医をすることになり、他の人にとっては全然大したことに感じないと思いますが、自分にとってはなんだか非常に感慨深いものがありました。

 来院された患者さんは数名で非常にゆったりとした時間でしたが、急患の患者さんが少ないということは平和で喜ばしいことと考えるべきでしょう。夜間こういうところで仕事をしていることも今後ありますが、基本的には夜間でも自院で急患の対応は行っておりますので、何かございましたら電話等でいつでもご連絡下さい。

世界高血圧デー

 5月17日は世界高血圧デーとのことで、『世界高血圧デーに降圧治療を考える』鳥取県部会でオンラインにて講演をさせていただきました。座長は加藤雅彦教授(鳥取大学医学部 保健学科検査技術科学専攻 病態検査学講座)で、鳥取大学第一内科在籍中は医局員として、また心不全グループとして大変お世話になった先生です。『参観日』に親がみている前で自ら手を挙げて発表する子供の気分で、大変緊張しました。今後は対面の講演が増えるとは思いますが、機会があれば講演を頑張っていきたいと思います。ただし要請があれば、のお話しではありますが。講演は得意ではありませんが、こんな私でよければお待ちしてます。

再びアーニャからお知らせ

 『お知らせ』にも記載しましたが、例年の5月、6月に関しては当院では午後から企業の健診を行っております。時間は午後3時30分から午後4時30分までを目安として行いますが、都合上健診の方を優先して行いますので、何卒ご了承ください。尚、気分不良の方やお急ぎの方などございましたら、職員にご連絡下さい。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。

開業医の休日

 ゴールデン・ウィーク(GW)後半に入りました。往診の依頼や訪問診療で外出することもありますが、基本的には医院で過ごしております。月末~月始めは医院、病院ではレセプトといって、保険者に対しての診療報酬明細書を作成することに時間をとられますが、私も例外ではなく医院でレセプト作成しています。他には書類、発表のスライドを作成したり、(真面目な)本を読んだりして、特にはどこかに遊びには出かけず主に医院で過ごしています。うちの父も開業医ですが、子供の頃からGWだからといって遠出することはなく、行っても松江か大山、遠くても鳥取市に行く程度で、夕食は家族で外食してなんとなくGWを過ごした気になったのを思い出します。自慢することではないですが、休日や夜間でも対応することを前提にしていますので、気軽にどこか遠くに、ということは出来ません。

 何もしていないはずのGWですが、終盤にさしかかると何かソワソワします。これは自分だけかもしれませんが、昔から映画館で映画を観ていても、上映時間から考えても内容から考えてもそろそろ終わりが近いことが分かると本当にソワソワして映画に集中出来ません。早くトイレに行きたい訳でも、クレジットが出ている間にもう帰ろうと思っている訳でもありませんが、いい映画であればあるほど落ち着きがなくなります。映画に限らず、コンサート、3日間あるような学会でも同じような感覚が終盤に感じることがあります。何か隠れた病気があるのかもしれませんが、そういうことでGW終盤、ソワソワしながら気分転換にブログを書いてみました。

 今ChatGptが話題ですが、レセプトなどの作業ももっとAIが進歩して、今後仕事量が減り効率化されることを期待しながら、現在作業しております。しかしこのブログも、それこそChatGptにテーマだけ与えて作成した方が、もっと気の効いた文章で、なおかつみんなに役立つブログになるかもしれません。そうすると拙い自作のブログの出番はなさそうですが…いずれそうなる日はやってくるかもしれませんね。ニュースを見ると行動制限もなく天気もよく、各地でよいGWになっているようです。その一方で熱中症などにのニュースも入っており、気になるところです。休日中に体調を崩された方などおられましたら、お気軽に当院にご一報ください。

 

 

ワクチンの話し① エビータと子宮頸がん予防(HPV)ワクチン

 マドンナ主演のミュージカル映画『エビータ』は1996年にアメリカで公開されました。アルゼンチンのフアン・ペロンの大統領夫人となった『エビータ』ことエバ・ペロンの半生を描いた人気ミュージカルの映画化で、ミュージカルに関しては日本では劇団四季が公演しています。私は普段ミュージカルは観ないのですが、劇中のマドンナの歌、『Don’t Cry For Me Argentina』があまりにも聞きたくてその当時映画館に足を運んだ記憶があります。現在でもアルゼンチン国内でのエビータの人気が強いため、映画作成の段階でマドンナの主演、また演出等に対して国内から拒否的な意見が強く、アルゼンチンでのロケの際に制作反対のデモが行われたことが当時日本のマスコミにも報道されました。アカデミー賞では多部門でノミネートされましたが、受賞したのは歌曲賞のみでした。これに関しては夫であるフアン・ペロンがムッソリーニの信奉者で、ユダヤ系の力が強いアメリカ映画界があまり評価しなかったというのが通説となっているようです。

 そのエビータことエバ・ペロンは34歳の若さで亡くなります。死因は子宮頸がんでした。子宮頸がんに関しては日本でも若い世代の女性がかかる癌の中で多くを占めており、年間日本でも約2900人の女性が亡くなっており、これは増加傾向にあります。また癌の治療のため子宮の機能を失うことによって妊娠が出来なくなる若い年代の女性もいますので、少子化という側面で考えても子宮頸がんの予防は非常に大きな問題です。子宮頸がんのほとんどが性交渉によってヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが子宮頚部細胞に感染することによって発生することが知られております。子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)はHPV感染を予防することで、子宮頸がんを予防するワクチンで安全性、有効性が世界で広く認められたワクチンです。

 日本では2013年4月に小学6年生から高校1年生を対象にHPVワクチン接種が定期接種となった時期がありました。しかしHPVワクチン接種後に発生した多様な症状に関して繰り返しテレビ、新聞などで報道され、同年6月に厚生労働省はHPVワクチンの『積極的な接種勧奨の差し控え』の発表を行い、結果的にほぼ停止状態になりました。当時私も症状が出た女子学生のドキュメンタリー動画をテレビで見て、かなり衝撃を受けた覚えがあります。しかしその後、HPVワクチン接種者とワクチンを打っていない非接種者の両者において、報道されたような多様な症状に関して頻度は少ないものの両者に出現し、その発生頻度は統計的に有意な差が認めなかったことなど、必ずしもワクチン接種に固有の副反応の症状でないことが報告されました(Papillomavirus Res 2018,5:96-103、『名古屋スタディ』)。

 そういった結果が出る以前より厚生労働省の専門家により調査や検討が行われ、諸外国のデータも加え結果的に接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められ、『積極的勧奨の再開を妨げる要素はない』との結論が出されため、積極的勧奨の再開となりました。2023年4月からは広いHPV型をカバーする9価ワクチンが定期接種として使用可能となっており、『積極的な接種勧奨の差し控え』で接種機会を逃した方へのいわゆる『キャッチアップ接種』も9価ワクチンが使用可能となっております。

 長々と書きましたが、先進国の中では極端に低い接種率(というよりほぼ打ってない。先進国で日本と同じくらい接種率が低いのはシンガポールくらい)でなおかつ子宮頸がんの死亡率が増えている現状は日本の社会問題と考えます。もちろん、どのワクチンに関しても重篤な副反応が低い確率ではありますが一定の割合で起こりますので、打つ打たないは個人、または家族の意思決定で、それは尊重されるべきです。しかし過度な『負の情報』によって副反応に対する懸念が強いように思われます。まずはワクチンの効果よりは子宮頸がんに対して理解されることも重要かもしれません。当院は内科ではありますが、お子さん、お孫さん世代で接種を迷われている方がおられましたら、当院でお尋ねください。接種の予約も当院で承っております。

※②は帯状疱疹ワクチンについて、です。

 

ゴールデンウィーク中の対応

お知らせにも同じことを書きましたが、ゴールデンウィーク中は暦通り、4月29日(土)、5月3日(水)~5月5日(金)は休診とします。

5月1日(月)、5月2日(火)、5月6日(土)は通常通り診療致します(5月6日は土曜日ですので、午前中までの診療と致します)。ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願い申し上げます。

尚定期訪問診療、またかかりつけ患者さんの急患対応等はこの限りではありませんので、いつでもご連絡ください。発熱など当院での初診の方も休日中対応します。

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※日・祝、木曜・土曜午後休診

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