家庭血圧のすゝめ①

 皆さんは家で血圧測定されることがありますか?我が国の家庭血圧計の普及台数は約4000万台とされ、ほぼ一家に一台あるような計算になりますので、家族に高血圧の方がいなくても家庭に置いてある方もおられると思います。しかしそれだけ普及はしているものの、高血圧の患者さんで毎日定期的に血圧測定を行っている方は決して多くはありません。高血圧で通院されている患者さんの中には『どうせ病院で測るから、家ではいらんでしょ』とお思いの方もおられるでしょうし、『ただただ家で測定するのが面倒』『家の機械はダメ。だって病院と違うもん』、または『高い値が出るのが怖い。ストレスになる』といった理由などで医者から言われても測定されていない方、また医者から何も指示されないまま通院されている方(あるいは指示されたのを忘れた方)など様々ではないかとと思います。

 そもそも高血圧はなんで治療しなければいけないのでしょう。中にはあまり血圧が高すぎて、頭痛や気分が悪くて治療が始まった方もおられるかもしれません。しかしほとんどの場合で高血圧を治療する理由は、放置すると頭痛がしたり気分が悪くなるから治療している訳ではありません。高血圧を治療する一番の理由は予防です。

 上の図は日本からの報告で中壮年期、前期高齢者、後期高齢者のそれぞれの血圧と心血管イベントの割合(脳卒中、心筋梗塞の発症率)の関係を示したものです。若い年代の方が顕著でありますが、どの年代も血圧が高ければ高いほど脳血管・心臓の血管の病気は増えます。ただし増えるのは血管の病気だけではありません。心不全、腎疾患(慢性腎臓病)になる原因として高血圧は大きく関わってきます。やや古い報告にはなりますが、心不全を新規に発症する人の91%に高血圧の既往がみられるという報告もあり(Levy D et al., JAMA. 1996; 275: 1557-62.)、高血圧は心不全発症の最大の危険因子のひとつと考えられています。高血圧を治療する一番の理由は脳心血管疾患などの血管の病気、慢性腎臓病、そして心不全などの病気を予防するためです。

では家庭での血圧(家庭血圧)を測定する意義は何なのか?ということになりますが、以下のように考えられます(下記以外にもあります)

①日本のガイドラインでは病院での測定する血圧(診察室血圧といいます)を指標とする治療より、家庭血圧を指標とする治療が推奨されている(日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019)

➁病院で測定しても正常の血圧だが、自宅では血圧が高い人を見つける(仮面高血圧→これが重要です)

③単純に情報量が多い。

④自分で測り、記録することで患者さんの治療意欲に結びつく

①、➁に関してはまたいつか述べるとして、③に関して述べます。例えば病院で測定した血圧がその日145/90㎜Hg だったとして、『今日は血圧高いので血圧の薬増やしますね』と医者から言われたら、皆さんはどう思うでしょうか?

『今たまたま高いだけじゃない。もう1回測ってよ』『病院来ると緊張するけんね』『そこまで高くないんじゃない。薬は増やして欲しくないわ』『医者が言うなら仕方がないかなー。まあ黙って薬もらっとくか』これも患者さんによっていろんな考えや思いがそれぞれ出てくるのではないかと予想されます。

 高血圧で通院されている人の中には毎月ではなく、2か月に1回、場合によっては3か月に1回の受診の方もおられると思いますが、病院だけで血圧を測定している人に関しては年間でいえば4-12回の測定、その情報だけを以てその方の血圧をコントロールしなくてはいけません。大昔ならそれでしか方法がなかったので仕方がないと諦めると思いますが、令和の時代にあって感じることはもはや『無理ゲー』に近いことだと思っています。一方で家庭血圧があれば毎日測定すれば年間365回の情報量、測定にばらつきのある方でもある程度平均の値というものが見えてきますし、当日の外来の145/90mmHgの血圧は参考にするにしてもまず家庭血圧の値で調整します。非常に血圧コントロールはしやすいと考えています。

 予防の恩恵が実感されることはほとんどありません。『予防をしっかり行った人生』と『予防をしなかった人生』を二通り経験することはできないからです。ただし自分の健康、ひいては人生を年間10回程度の情報で決めるか、365回の情報で決めるか、手間の問題はあるにせよ、どっちがより良いのかは明白ではないでしょうか。無論、諸事情で測定できない方もおられますし、それは仕方がないことだと思います。ただできれば皆さん、まずは家庭血圧計を買って測定してみましょう(家電メーカー、家電量販店の回し者ではありません)。

(一応)つづく。

日本一からの招待

『青春ってすごく密なので…』

 今年の全国高等学校野球選手権は仙台育英高校が宮城県勢、東北勢として初めての優勝を果たし、幕を閉じました。優秀候補筆頭の大阪桐蔭、センバツ準優勝の近江、プロ注目の浅野選手を擁する高松商業など注目校が多く、面白い大会でした。仙台育英高校の須江監督のインタビューは大変好評で早くも今年の流行語大賞になるのでは、と話題です。ただ学生時代陰キャの代表、リアル『すみっこぐらし』を実践しておりました私にとっては、密になって青春している人達を傍観しているだけでしたので、青春のことを公の場で発言できるだけでも羨ましいと思いました。たまたま鳥取県代表の鳥取商業高校の初戦が仙台育英で、当日が祝日(山の日)で朝の第一試合でしたのでテレビで見ておりました。結果は残念ながら鳥取商業の完敗で、仙台育英は投手が5人も出てきたにも関わらず、どの投手もいい選手ばかりで選手層の厚さにビックリさせられました。しかし私が非常に注目したのは、応援席の中継で出てきた仙台育英高校野球部の横断幕のスローガン、『日本一からの招待』という言葉です。

 日本一を奪い取るのではなくて、心技体で『日本一』の方から招かれるような個人やチームでなければならない、という意味のようです。『招かれるには何かの要因が必要。その条件は無数に無限ある。技術面、精神面も含めて、私生活から日本一を意識させた』と監督は言われます。『日本一からの招待』という言葉は私にとってすごく惹きつけるものがありますし、今回実際に仙台育英高校が『日本一』に招待され、まさに有言実行したことは大変素晴らしいと思います(これが鳥取県代表なら尚よかったですが)。

 このスローガンは『準備』の大切さを考えさせてくれます。いい医療を提供するのも、単に腕がいい、また愛想がいいだけでもダメです(残念なことに私はどれも該当しておりませんが)し、建物だけが素晴らしくてもダメです。それに加えて、医師、スタッフらが、いい医療を提供するためにいかに入念な準備をするかによって為せるもので、準備せずして偶然の産物(たまたまうまくいく、評価される)が生まれたとしても、最終的にはどこかでうまくいかなくなる、そう勝手に解釈しております。そういった意味では自分はまだまだです。もっともっと頑張ります。

よく訳の分からないことを書いてしまった…。

惑わす

 言うまでもなく現在コロナ禍の真っ只中です。うちのような小さな診療所でも新型コロナウイルスのPCR検査陽性の患者さんが10名以上になる日もあります。コロナのニュースを見ない日はないですが、メディアに頻繁に出てくる医師(多くはクリニックの先生)のtwitterやInstagramの投稿を元にしたネット記事をたまに目にすることがあります。内容的に『そうそう』と共感することもあれば、『そんなことわざわざ書かなくていいのに』と発言に賛同しかねる時もあり、一応同業者目線で見ております。

 このブログでも最初始めた時は患者さんが役に立つ情報としてコロナのこと、特にワクチン、治療、体制などの問題点をどんどん取り上げようとは思っていましたが、でもいろいろ考えて結局やめました。

 ビソプロロール、カルベジロールといったβ遮断薬という薬に分類される高血圧の薬があります。かつては心不全患者に関しては禁忌、使ってはいけないとされたβ遮断薬は、現在では心不全治療薬の主流の薬としてたくさんの心不全患者さんに処方されております。医学を含めた学問は、過去の常識が新しい研究報告により今までと全く違う内容に更新され、書き換えられていることがしばしばあります。新型コロナウイルスはまさにいろいろな意味で現在進行形の病気で、新しい変異株も出れば、新しいデータがほぼ毎日のように論文等で発表されており、今世の中に出回っているコロナ関連の見解も今後書き換えられる可能性があります。

 SNS含めたネットの中の情報は役に立ちますが、過去の古い情報がそのまま残っていることがありますし、元々最初から事実と異なるものもあります。新型コロナウィルスに関しては情報の更新があまりにも早く、もはや古くなってしまった情報がネットにあふれており、他の疾患等に比べると顕著です。誰もみてないような私のブログでも情報の一部になり、それがずっと残っていけば、誤った情報の原因となり得ます。それが私がコロナの話題を取り上げない理由です。

 ネットの情報は時に有用ですが、コロナに限らず誤った情報で患者さんを惑わせ、間違った方向に導くこともあります。情報源がちゃんとした事実に基づいた記載なのか(医療者なのか、医療機関なのか、自治体なのか記載元も重要)、また書かれた日時もよく確認する必要があります。誤った情報で損するのは当然患者さんですので、不明な点などありましたら診察の時などにお問合せ頂ければ幸いです。

 ただしネットで誰もが情報を得られる時代になった現在、勉強熱心な患者さんが正しく、新しい知識を獲得すれば、医師の知識を時に上回っている可能性も予想されます。特に日々更新されるコロナの情報、知識ならそういったこともないとは言い切れません。私も日々知識を更新し、患者さんからのネットから知り得た情報の相談、質問等を『どうせネット情報でしょ』と高を括らず、謙虚に耳を傾けていきたいと思います。

救急外来の当直

4月から月1回、某病院で救急外来の当直をやってます。私から志願して始めた訳ではないのですが、諸事情にてやることになりました。ただ私自身、今まで開業医の医師が病院の救急外来の当直している話しは過去に聞いたことがありません。『医院を新築しているから、お金がないのかな?』と思われる方も中にはおられるかもしれませんが、『私は全くお金に困っていません』ということも決してありませんので、『実は多少お金に困って当直させて頂いております』ということにしております。

8月は13日のお盆の当直担当でしたが、コロナの陽性の患者さんの連絡や聞き取りなどの電話対応で時間を取られるのは開業医も勤務医も変わりません。ただし受付の事務の方や看護師さんの方が電話対応はもっと大変です。開業医はコロナに罹患した患者さんの情報の入力(HER-SYSといいます)を並行しながらがやるのが大変ですが、病院によるかもしれませんが当直医はそれがないのでまだ助かります。体力的にいつまで続けられるか分かりませんが、今のところは頑張ってます。もし当直でお会いする機会ありましたら、よろしくお願いします。

 

真夏の夜の夢

 学生時代から随分たちましたが、その頃の習慣、癖が抜けないことがあります。講演会ならよいですが、免許センターの違反者講習などを聞いていても終わったら拍手しそうになる(河合塾の影響:河合塾は授業終わりは必ず拍手することになっています)、冬場になると勉強しないといけないような不安、焦燥感にかられる(浪人の弊害。ただし勉強はしない)、そして夏場になると早く起きるようになるということも以前からあります。

 学生時代に山に登っていたことがありまして、北アルプスなど長い距離の稜線を移動するような縦走になりますと、午前2時起床、4時出発ということもありました。ヘッドライトを装着しての真っ暗な状態から出発ですが、段々と朝焼けで山が青白くなり、その景色が幻想的で非常に好きな光景の一つでした。その頃の習慣の影響なのか夏場になるといつも4時くらいには必ず1回起きてしまいます。たまに食事の支度をしたり、その当時の仲間と一緒に風雨にさらされながら、山を登っている夢をみることも時々あります。学生時代に得られた経験は素晴らしいものだと思っておりましたが、どうも最近そうではないことに気づきました。

 単に夜暑くて起きるだけではないか、と。私の部屋には冷房がなく、仕方なく冷房のある居間の床に布団をしいて寝ていますが、そうしたら今度はたまに7時前まで爆睡するようになりました。夢もほとんどみなくなってしまいました。これは学生時代の習慣というよりは、体が暑さに耐えきれなくなっているだけかもしれません。

↑ 屋久島のウィルソン株の写真です。

 

私の早く起きる程度の問題ならまだいいですが、高齢者における屋内の熱中症の発症となると大きな問題です。熱中症や最高気温のニュースなどを見て、炎天下の外出など避けて頂くことはあるかもしれませんが、屋内でじっとしていても熱中症は発症します。高齢者の方は身体的な体温調整能力の低下に加え、温度に対する感覚が鈍くなっているため、冷房をせず熱中症になった症例を今まで数多く経験しました。最近の猛暑、熱帯夜は記録ずくめで、重要視したいのは1日を通した適切な冷房の使用です。

 少し古いデータになりますが、日本救急医学会の報告によりますと住宅内発生の熱中症の患者さんの88%は冷房を使用していない(自宅に設置してもoffにしているを含む)との報告があり、また自宅内の発生場所として居間・リビングに続いて多いのは『寝室・就寝中』(全体の32%)であったとのことです(日救急医会誌 23:211-230,2012.)。他のデータなどからも言えることは、夜は少し涼しいから冷房なしで窓を開ける程度、やっても扇風機程度というのは若い頃、昔の気候ならよかったかもしれませんが、その程度の対策では高齢者の方では寝ている間に熱中症になることも十分あり得ます。

 OS-1などの経口保水液の普及により、夏場の水分摂取の必要性に関しては比較的皆さん理解されている印象は受けますが、当然それだけでは十分ではありません。日中の冷房管理のみならず、夜間においても適度な冷房管理が必要な時期ですので、注意して過ごして頂く必要性があります。本人が冷房を好まれない、平気だから必要ないと言われるため家族も強く言えないケースがあると思いますが、是非家族の方にも冷房の必要性を理解頂き、一日中通しての適切な冷房管理、また家族間でのお声かけをお願いしたいと思います。と書いておりましたら、本日実家の冷房が故障しました。明日修理予定です。皆さん、気をつけましょう。

 

 

 

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My father 原爆投下の日に思うこと

今日は8月6日、広島に原爆が投下された日です。私の父は8月9日、子供の時に天草の本渡から見た、長崎に投下された原爆の巨大なきのこ雲が忘れられないと言います。小学校の宿題で『夏の友』という課題の中に『おじいさんやおばあさんに戦争の話を聞いて書きましょう』というテーマがありましたが、私は大体始業式前日の夜に父から戦争の話しを聞くのが定番になってました(毎年ほぼ同じような内容ではありましたが)。歴史の教科書でみたことがあるかもしれませんが、進駐軍の指示による教科書の墨塗りも父は経験したこともあるそうで、特に歴史の授業が大嫌いだったようです。私は末っ子で両親が比較的年をとってからの子供でしたので、そういった戦争の話しを同級生と比べて聞く機会が多かったかもしれません。うちの父は被爆者ではありませんが、原爆投下の日になると子供の頃に聞いた父からの話しを思い出しますし、自分と無縁とは思えない出来事に感じながら毎年この時期の平和祈念式典のニュースなどをみてしまいます。

その父から医院を受け継ぎましたが、久々に来院された方は特に戸惑うようです。『先生って…どうされたんですか?』『息子さん、ですか?』と父がそこに座っているものと思われた方はかなりびっくりされるようです。普段から通院されている方も『先生(父親)お元気ですか?』と聞かれることが多く、今日は取り上げさせて頂きました。

写真はあんまり元気なさそうに見えますが(さんま御殿の「ひと言体験談」風の写真です)、非常に元気です。4月からは私が午後2時頃から訪問診療に出ており、帰ってくるまで父が医院の留守番で診療をしております。たまに私が出発前に診察することもありますが、もし是非お会いたい方おられましたら、その時間にお願いします。

 

 

 

 

 

お休みのところすいません…木曜日の午後の謎

 昔子供の頃、銀行の窓口は午後3時に閉まるのか謎でした。もっと遅くまでやればいいのに、閉じた窓口を前にしてその時は思っていた訳ですが、当然収支あわせたり書類の整理をしたりといろいろとやることがたくさんあるはずで、午後3時に終わるのには銀行の事情があります。

 最近鳥取大学附属病院の一部の科では午後の外来(午後診)をやっていますが、一般的な総合病院では午後からの外来は通常やっていません。これに関して『外来しないで午後って何やっているんですか?』と外来の患者さんから聞かれたこともあります。午後に関しては外科系の科であれば手術をしたり、私のような内科系であれば科によっても違いますが、共通してやっていることは本人、家族を交えて病状説明、退院調整の向けての連絡・カンファレンス、また比較的時間のかかる処置(中心静脈カテーテル挿入、胸水穿刺など)をやったり、入院患者さんの対応を午後に充てることが多いと思います。

 では医院、クリニックの午後の休診は何をしているのか、ただ休んでるだけなのか?と思っておられる方も多いかもしれません。木曜日午後休診されている医院、クリニックの先生が多いと思いますが(山田内科もそうです)、これは別に決まったものではありません。特に休まなくてもいいですし、この曜日に休みましょう、といったものもありません。じゃあ毎日午前、午後やったらよいじゃないか?というと、それでは困ることが出てきます。

 当院ですと企業の産業医、学校の産業医・学校医を行っております。木曜日午後に健診をしたり、工場・職場の巡視に立ち会っています(これは労働安全衛生規則で義務付けられています)。それ以外では少し往復に時間がかかる遠くの患者さんのご自宅の往診に行かせて頂いたり、たまに木曜日の午後に講習会(多くは産業医関連)に開かれることがあり、それに参加したりしてます。なので木曜日午後に土日や平日の合間に充てることが出来ない仕事をやっています。

ここまで書くと、さぞ忙しい医者なんですね、とアピールしたいのかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。疲れて午後は完全に爆睡していることが結構あります。そんな時に『お休みのところすいません』と、急患や問い合わせの電話があることがあります。まるで起きていたかのようにいつも通り対応しているつもりでしたが、後で『寝ておられましたよね。すごい眠そうでした。そんなときにすいません』とお気遣い頂いたこともあります。『えっ、寝てなかったですよ』と全く反論する余地もなく(というよりもう嘘ですが)、午後から寝ているのがバレバレで恥ずかしい限りでした。今日はその方に向けて書いてみました。寝てばかりではありませんよ。

※写真は訪問先のKさん宅の『チャピ』ちゃんがお休みのところです。

かかりつけ医に関して

2022年8月2日付の朝日新聞に『かかりつけ医』に関しての記事が出ています(ネットは有料記事です)

「かかりつけ医いない」さまよう患者 制度化めざす国、反発も相次ぐ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

発熱時にはまずは『かかりつけ医』に相談、というのはコロナ禍にあってよく聞くフレーズです。

『かかりつけ医』の定義ですが、日本医師会ホームページからの参照しますと

『健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師』

となっています。

「うちは以前からなんかあったら、山田内科医院に行きます」

大変ありがたい言葉ですが、例えば2年前にインフルエンザのワクチン接種で受診されたのが最後で『かかりつけ医』は山田内科です、と言われますと、私たち医療者と患者さんとの間で『かかりつけ医』の認識の差があるように感じます(ただしそう言われる患者さんの気持ちは理解できます)。定義にありますように『健康に関すること何でも相談できる』というからには、患者さんの基礎的なデータはある程度事前に知っておく必要があると考えています。特に病気もなく会社の健診でも異常なく現役で仕事をされている方は仕方がないと思いますが、特に健診も受けていない、普段どこの医療機関にもかかっていない高齢者の方などに関しては『かかりつけ医』とされる医療機関で年1回でも健診などは受けてほしい、というのが個人的な意見です。

先日ある高齢の女性の方が突然当院に受診されました。その方は某総合病院で内科含め3つの診療科にかかっており、全部で20種類近く薬が処方されておられる方で、病院の先生から「かかりつけ医を作りなさい」と言われ、当院を受診されたようでした。これもうちとしてはありがたいお話しですし、確かに発熱などの対応に関しては当院が便利がよいかもしれません。ただし総合病院の複数の科でそれなりの濃厚な治療を受けているような方までもが、現在の通院先と並行して『かかりつけ医』を作る必要があるのかに関しては、受診の労力、医療費などの面からは議論の余地はあると思います。

この朝日新聞の記事にありますように今後『かかりつけ医』の登録制に関しての議論が更に活発になると思われます。その言葉通り、患者さんが自分の『かかりつけ医』登録する制度ですが、『かかりつけ医』以外の医療機関を受診する場合は負担額を増額、大病院へは『かかりつけ医』が原則紹介、といったことが登録制の基本になるようですので、医療機関受診へのフリーアクセス(受診を希望する医療機関を自由に選べる)の保持を理由に、現在反対の意見も強くまだ簡単には導入されそうにありません。

『かかりつけ医』の制度は今後どう向かっていくかはまだ分かりませんが、当院としては『地域の皆さまに信頼されるかかりつけ医を目指して』とにかく頑張る所存であります。

 

 

 

web問診を始めました。

8月からweb問診を導入しました。

現在のところは発熱の患者さんに限って、web問診をお願いすることがあります。

事務から依頼ありましたら、ホームページ下の『ユビーAI問診』のバナーをクリックして、指示に従って記入の協力をお願いします。

当院はまだ紙で記載するカルテ(紙カルテ)ですが、記入された内容に関しては記入後数分してからFAXで当院に届くようになっています。

今後医院を移転した際に電子カルテに移行しますが、それ以降に本格的に導入していく予定で、その際は問診された内容が電子カルテにそのまま反映される予定です。

正直なところを言いますと、現在電話対応で手一杯の状態です。発熱患者さんの問診、コロナの予防接種の予約などの問い合わせなど、以前に比べて電話対応の時間が増えています。当院の電話は2回線ありますが、特に午前中に関しては電話対応している時間がほとんどです。

これが仕事の効率化に繋がり、サービスの向上に還元できるように努力していきたいと考えています。

尚問診内容に関しては今後改善点を見直し変更予定ですので、ご意見などありましたらよろしくお願いします。

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