人は見た目が9割?

 元々自分の髪型や服装、身だしなみに無頓着な人間ですが、開業医になって若干考え方を変えました。勤務医の時はどうせ自分のことなんか誰も注目していやしない、俺は容姿での勝負はすでに諦めている、という信念のもと、2、3日ヒゲを剃らず、自分の顔も鏡で大して見ることはなく、毎日診療に出てました。しかし開業医になってからは自分が院長、病院の代表ですので、さすがにある程度は清潔感がないのはまずい、ということで、毎朝鏡をみてちゃんとヒゲを剃ったり、寝ぐせを直したり、と至極当然のことをするようになりました。

 若い頃、入院中のある患者さんから『ヒゲの濃い兄ちゃん』と言われていたことがあります。でも私はヒゲが濃いという自覚がその当時全くありませんでしたので、『誰ですか、それは?誰かと勘違いしてませんか?』と普通に聞き返していて、1ヶ月後くらいに自分のことだと気づいて驚いた記憶があります。最近はヒゲの医療脱毛をクリニックでもされているところが多いですが(当院では行う予定はありません)、私はヒゲが濃いので毎朝剃るのに時間がかかりますし、手間が省けることを考えると脱毛を受けるメリットは理解できます。ただし、近い将来、頭の髪の毛が本格的に薄くなった時に、ヒゲもないとなんだか全体的により寂しい感じのオジサンになることが予想されますので、多分今後も私が受けることはないと思います。

 見た目、という点では患者さんを診る点でも大事なことがあります。これは容姿、身なりを指している訳ではありません。患者さんの様子です。例えば、冷汗、苦悶様の表情、顔色不良を認めるような患者さんをみれば、その場で行った検査(心電図など)では特に問題なくてもこれはきっと重篤な病気が隠れているだろうと考えて、治療と並行して必死にその原因を探します。見た目の重篤感、というのは非常に大事に思っています。また、普段の診療でも患者さんが診察室に入ってくる様子に注目してます。スムーズに入ってこれるか、息切れをしてないか、どこか痛がる様子をしてないか、そういった情報に重要なヒントが隠されていることがありますので、入室される様子は必ずじっくり観察します。例えば、突然の背中の痛みで緊急で受診される患者さんがいたとします。その患者さんが診察室に痛そうな表情を浮かべながら、片方の手で同側の背中、腰の付近をおさえながら入ってくると、まずは尿管結石を予想して、問診をしたり検査をオーダーしていきます。もちろん本人の訴えは一番大事ですが、『見た目』も大事となります。

 暑い時期になり、熱中症も増えてきました。特に当院で多いと感じるのは高齢者の方の自宅での熱中症です。高齢者の方は暑さやのどの渇きを感じにくくなるため、冷房を避けることが多く、脱水になりやすいという特徴があります。熱い日の夕方頃から食事がとれなくなってきた、などの症状には熱中症が含まれていることがあります。普段の冷房などの適切な室温等の管理が重要なことは間違いないですが、本人が大丈夫、といっても『いつもと様子が違う』、ということを家族の方に気づいて頂くことが大事になることがあります。何か心配なことがありましたら、いつでも当院にご連絡ください。

 

 

梅雨時期に思うこと

 もう6月に突入しました。考えてみれば2023年の上半期を折り返そうとしてますので、本当に月日の早さに驚きます。梅雨入りは中国地方もとっくにしてますが、往診や訪問診療をしていると今の天気や雲行きが気になります。私は普段から傘をさす習慣があまりありませんので、自宅に帰るだけくらいならずぶ濡れでもよいのですが、さすがにそれで患者さん宅にあがる訳にはいきませんので、こういった時だけは往診カバン含め濡れないよう傘をさして出かけます。また一緒に看護師さんも同行して行きますから、一緒に行って大雨だとお互いテンションが多少下がりますので、時間があるとスマホで雨雲レーダー、天気予報をよくみてます。

 この時期、私が気になるのは低気圧の接近です。私は元々頭痛持ちでして、低気圧が近づくとかなり頭痛がひどくなることがあります。症状によっては音や振動が来るだけで厳しいですので、仕事が終わるまではなんとか我慢し、職員が帰った後はソッコー2階の院長室(一応あるんです)のソファーですぐ横になっています。こういった時に外来にたまたま頭痛の患者さんが来院され、患者さんの話しを聴くときはなかなかつらいものがあります。特に本当に重い頭痛の患者さんの話しを聴いていると一緒に自分もつらくなり自分のほうが横になりたい気持ちになりますが、これは頭痛持ちの方は理解して頂けるかもしれません。

 昔学生時代に頭痛がひどく、近所の公立の病院の救急外来を受診したことがあります。比較的大きな病院の救急外来ではよくある話しですが、最初に看護師さんから問診を受け、つぎにおそらく研修医の先生、最後に担当医(指導医、上級医)の先生の問診、診察を受けました。これは意味がありまして、看護師さんの問診は重症度を決めて、場合によっては診察順番を早くする(トリアージ)ことが目的です。救急外来は大学病院だけではなく、比較的大きな一般病院でも研修医が学ぶ場、また活躍する場でもあります。研修医の先生が問診を行い、疑わしい病気を考えた上で、それに沿った検査項目や治療内容を考えて、指導医、上級医の先生が最終的にcheckするような仕組みになっています。そういうシステムは理解していますが、ひどい頭痛の時の時同じような問診を何回も受けるのはつらいものがあります。私は急患の患者さんを診るときは、一応そういったことも配慮して、問診が自分だけで済むように配慮することがあります。

 雨が鬱陶しい6月ではありますが、実は嫌いではありません。昔学生の頃だったかいつか忘れましたが、鎌倉の長谷寺に行き、見事に咲き誇るあじさいをみながら散策したことがあり、梅雨の印象が変わった記憶があります。そして、6月は何より自分の誕生月でもあります。まあ、これがこのブログで一番言いたかったことなのですが、なかなか言いたいことを書くところまで行き着くのは難しいものですね。長文になりました。お祝いなど特に遠慮しませんので、お待ちしてます(嘘です)。

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