仁和寺にある法師

仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ…

 吉田兼好の徒然草にある一節で、学校の教科書にも出てくる有名なお話でご存じの方も多いと思います。京都の仁和寺にいた僧侶が念願の石清水八幡宮を拝みに一人で行ったところ、そのふもとの極楽寺、高良だけを参拝し、山の上に向かう人がいる(本当は山の上に石清水八幡宮がある)と気づいていながらも、これだけだと勘違いして実際の石清水八幡宮には参らず帰ってきたお話しです。最後に『すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり(ちょっとしたことでも、その道の先導者はあってほしいものである)』ということで文章を結んでいます。

 医院をやっていると新しい試みを始めることがたくさん出てきます。不明な点に関しては本やネットなどでまずは調べますが、それでも分からないことが多く、『先達』に教えを乞いたいことはいくらでもあります。実際その『先達』が誰かさえもわからず、結果的にはなんとか自分たちで勉強して試行錯誤やってることも多々あります。怖いのは少し変だと思いながらも、出来たと思っていたことが実際には完了、完成していない、それに気付かずに『石清水八幡宮をお参りした』と勘違いしてしまうことです。ほとんどそういうことはないと思いますが、ただ全くの新規のことに挑戦するとなると注意深く考える必要があります。

 最近当院は木曜日の午後などの休診時間を利用して、騒音職場の騒音検診、振動工具使用者の振動障害などの特殊検診を行っております。特に振動障害の検診は珍しい検査で、この機械置いている施設は一般開業医ではさすがに珍しいと思います。私も検査どころか購入するまで機械そのものを見たこと自体一度もなく、YouTubeなど動画もないか検索しましたが、さすがに『振動障害の検査の仕方』といったような動画はありませんでした(例えあっても再生回数は稼げそうになさそうですね)。いろいろと資料など購入しましたが、今ひとつわかりませんでした。

↑オージオメータです。気導聴力は250〜8000Hzままで測定可能です。

↑ 振動感覚計です。指先の振動覚を測定します。

↑皮膚表面温度計です。皮膚表面温度が瞬時に測定可能です。

 

 今回全く分からないところを、たまたま講習会で質問させて頂き、丁寧にご回答頂きました黒沢洋一先生ありがとうございました。なんとかこなせました。『先達』になって頂き、大変助かりました。

 尚、特殊検診などが必要な企業の方などおられましたら、当院にご連絡頂ければ幸いです(振動障害の検査は保険適応の検査ではありませんので、残念ながら一般診療には十分生かせそうにないです。)

 

それは大事

 寒くなるとなぜか学生時代のことを思い出しますが、よく思い出すの大学時代の国家試験前の時期です。医学部は6年間ありまして、5、6年生は病院での臨床実習が中心ですが、6年生でも座学で講義を受ける機会があり、それが公衆衛生学という講義でした。各大学で勉強する時期やカリキュラムは異なるかもしれませんが、医師国家試験では非常に出題される割合が高い分野でしっかり勉強してました。

 公衆衛生学とは簡単に述べますと、病気を予防して、健康を保持するための社会活動や研究を行う学問です。医療の統計、または介護保険や医療保険制度といった社会保障制度などのシステムや簡単な法律を学ぶ分野もありますし、産業保健、環境保健といって、人間に与える有害な物質や疾患など学ぶ分野もあります。ただ私にとってはほぼ暗記の項目ばかりで非常に苦手な分野でした。尿中馬尿酸、尿中メチル馬尿酸、尿中マンデル酸…(それぞれ有機溶剤の代謝産物の名称です)、こんなの医者になっても役に立たんだろ、と思いながらも試験には出るので嫌々勉強しておりました。

 しかし嫌々勉強していた項目のデータや検査内容を、現在(一応)産業医として向き合い、勉強しております。先日たまたま今井書店で学生用の公衆衛生学の参考書を見つけ、すぐに購読し毎日のように読んでます。家族からはもう一度国家試験でも受けるのか、と馬鹿にされていますが。この本だけで内容を全部網羅出来るほど甘くありませんが、知識の整理が出来ることに加え、多少懐かしさも感じながら重宝してます。人生に無駄なことはない、とまで大きなことは言いませんが、そう思う気持ちがいつも大事なのかもしれません。

 

アーニャと一休さんからのお知らせ

 『往診行っている間にホワイトボードに絵でも書いて』、とほぼ冗談でアーニャと一休さんの絵を指定して職員さんに描くようにお願いしたら、短時間で(当然休憩時間中です)ボードマーカーで書かれたので非常にびっくりしました。絵がうまいって全然知らなかったです。人の絵の才能にはなかなか気づく機会がないものですね。『お笑いマンガ道場』でも車だん吉や川島なお美も意外と絵うまかったですしね。もし山田内科やめて漫画家になります、って言われもここは諦めるしかないかもしれません。ということで、今月から12月まで平日の午後3時‐4時頃まで会社健診を院内で行っており、一般の患者さんには待って頂くこともございます。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。

2階はこうなってます

『住むにしては少し小さくないですか?』

 内覧会を開いた際に、2階は住居だと思われていた方もおられたようですが、2階は自分達スタッフの控室になってます。ちなみに自分の院長室はこうなってます。

 家具が全て揃ってないですし、家具の位置もまだこれが定位置ではないのですが、非常に落ち着いた感じでとても自分の部屋っぽくないです。ただし

これだけの荷物がまだ院長室に入る予定です。ちなみに段ボールの中はほぼ全て医学書で、現在は旗ヶ崎の自宅内に保管中です。まだ更に自家用車に段ボール数箱入ってますので、今後院長室が散乱すること間違いないのです。乱れる前に写真におさめてみました。ただ段ボールの中に半年いれたままで診療出来るのだから、段ボールの中はほとんど不要な医学書ばかりだと家族からの厳しい指摘があります。いろいろと反論したいところですが、確かにその通りかもしれませんね…断捨離、と表現すると不要な本の存在を認めたことになりますが、それも手段の一つかもしれません。いずれにせよ荷物移動後の筋肉痛が思いやられます。

たくさんのお祝いありがとうございました

 新医院での初日が終わりました。たくさんのお祝いを皆様から頂きまして本当にありがとうございました。まるでお花屋さんのように、花に囲まれております。掲載した写真の花はごく一部で、本当にたくさんの方に祝って頂きました。

 テレビの話しです。ちょうど私が医師国家試験が終わり、研修医になる直前の2004年3月だったと思います。久米宏が『ニュースステーション』を降板する日のエンディングに、『歴代含めたスタッフだけではなく、提供してくれるスポンサーとその従業員、またその商品やサービスを買ってくれた消費者も広い意味では番組の関係者で、番組に携わってくれた人の数は何千万人という単位になるのでないか』という主旨のことを発言し、関係者、視聴者に感謝の言葉を述べていたことが印象的で記憶に残っています(その後、久米宏は自分へのご褒美として自ら入れたコップのビールを一気に飲み干して、番組は18年半の歴史に幕を閉じました)。規模こそ違えど、うちのような小さな医院でも同様です。数え切れない方々に携わって頂いて、今日にたどり着きました。関係者の皆様や通院して頂いている皆様の期待に応えれますよう、一層頑張っていく所存です。

ただいま準備中

 11月1日に向けてやっと医院の中が片付いてきました。不安な点といえば紙のカルテから電子カルテの移行ですが、最初のうちは診察に時間がかかるかもしれません。医院の片づけと並行して、今のうちに出来るだけ紙のカルテの情報を電子カルテに打ち込むなど準備しています。なんとかスタッフの頑張りで週末で診察できる準備は大分できましたが、エコーもレントゲンも新しくなりかつ電子カルテかつ別の新しい医院ですので、慣れが必要です。10月31日に自院で模擬練習して準備していますが、この時期困るのが学会です。

 10月、11月というのは春と同じくらい医者にとっては学会が多いシーズンで、先週、今週もオンラインで学会参加してます。今年はコロナ禍前のように現地開催だけという学会もありますが、多くはオンライン+現地開催のハイブリッド開催がまだ多い現状です。医者の学会って何をしているかなと思われる方もおられるかもしれませんが、学会は最近のトピックスが学べる場であり、専門医であれば更新のため必要な単位が参加によって認められるため、忙しさを理由に全く参加しないという訳には行きません。本当は開業医でも発表できるような演題を作れればよいですが、なかなかそこまでには至っておりません(いつか達成したい目標の一つです)。

 コロナ禍前は東京近郊の開催ですと飛行機1本で行けるため日帰り参加もよくやってましたが、それ以外の地方都市になると関西以外は日帰り参加は厳しいものがあります。なるべく米子を離れたくない私にとっては、自宅のパソコンで参加出来るオンライン開催は有難く感じることがあります。また大きな学会に行くと事前に何個か聞きたいと思っていた演題が時間がかぶったり、少し遠くの別会場で行われることがあるため、本当に聞きたい演題が全ては聞けないこと(オンラインならパソコンでザッピング?可能)や人気の演題だと超満席で立ち見も厳しいといったこともあり、学会に行ったのに人の多さに疲れてしまう自分にはオンライン開催で助かる点もあります。ただしオンライン開催でよいことばかりではありません。

 オンラインのため自分のパソコンの前で聞いているだけですので、現地開催に比べれば緊張感がありません。会によってはオンデマンド配信でライブ配信で聞かなくても期間限定で後でも聞ける演題もありますので、どうしても集中力に欠けてしまいます。それより困るのは学会に集中していても、家族からは休日に好きなYoutube見ている子供と同じような扱いで、『なんか暇そうだね』と冷たく言われることがあります。学会とは違いますが、自宅でスマホで仕事上の不明な点で調べたり仕事上でメールのやり取りをしていても、誰か友達とLINEでもしてニヤニヤしているようにしか見えないようです。どうもパソコン、スマホを触っている様子が他人からは真面目には映らないようです。学会参加の前に、もう少し家族や他人からも信頼を得ることが必要かもしれません。

10月27日より休診です

 明日より引っ越しのため、休診になります。診療再開は11月1日からで、向かいの新しい医院で行います。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。尚、急患や発熱患者さんの対応は致しますので何かございましたら、何時でもご連絡ください。明日から腰痛が怖いですね…。4月に済生会から山田内科に移ったときもしばらく座骨神経痛に悩まされましたからね。今回は気を付けて頑張ります。寒くなりましたので、皆様もお体を大切に。

 

医院の今後の予定について その②

 新しい医院への引っ越しの時期が近づいてきました。準備に関してもあれこれ必要なことが次々に出てきますので、なかなか大変です。最近、かかりつけの患者さんから今後のことで質問を頂くことが多くなりましたので、その件に関して書いてみました。

①駐車場、駐輪場に関して

 そのままで変わりありません。以下の図の通りですので、今まで通りご利用下さい。新医院には身障者用の駐車スペースが1台分ありますので、必要に応じてご利用ください。

 

②薬はどうなるか?

 院内薬局(お薬を医院から出す)で変わりありません。希望や処方内容によって、調剤薬局さんでの処方(院外薬局)をお願いする場合がございます。

③何かシステムは変わるか?

 特に変わりません。電子カルテは導入しますが、予約制などは今のところ導入せず、今まて通りです。ただし次回の予約がかなり先で、できればこの日に来院してほしい方などに関しては(備忘録として)予約票をお渡しすることがあります。

 旧医院を主として診療するのも、あと3日。自分も10歳まで医院の2階で住んでましたので大変思い出深い建物ですが、これから毎日それを眺めながら診療を行うことになります。残り期間準備に向けて頑張ります。

同時接種受けてみました

 新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種の実施が可能、というのは報道等でご存じの方も多いと思います。新型コロナワクチン単独で接種した場合と比較して、有効性及び安全性が劣らないという報告を受けて、インフルエンザワクチンに関してのみ同時接種が実施可能となりました(インフルエンザワクチンとの同時接種について/新型コロナウイルス感染症特設サイト/とりネット (tottori.lg.jp))。

 これは皆さん全員に同時接種を勧めるというよりは、仕事などで2回の接種のための来院・来場が困難、ワクチン接種のスケジュール設定が難しく今冬両方打つことが難しい方には適していると考えます。全然異なるワクチンを同時接種して大丈夫なのか心配される方もおられると思いますが、ワクチンの同時接種そのものは小児領域のワクチン接種、また成人領域ではインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種など、特に珍しいことではありません。ただし新型コロナワクチンでもそれなりの副反応が出るのに、同時接種に対して不安を感じるのは当たり前の反応かもしれません。実際当院でもインフルエンザの予防接種は始まって間もないこともありますが、まだ同時接種したケースはありませんでした。なので今回私自ら、同時接種を受けてみました。

↑新型コロナワクチン(筋肉注射です) ちょっと体が右に寄りました(注射は得意ではありません)…

↑インフルエンザワクチン(皮下注射です)

 左腕に新型コロナワクチン(オミクロン株対応2価ワクチン:当院はファイザー)、右腕にインフルエンザワクチンを連続で同時接種をしました。翌日に多少の倦怠感はありましたが、新型コロナワクチン接種単独の際と副反応の程度はさほど変わりはありませんでした。もちろん個人差があり、皆さんに副反応に差がないと言えません。特に新型コロナワクチンもオミクロン株対応2価ワクチンになり、単独接種であっても副反応の出方に違いはあることも予想されます。今回少なくとも自分での安全性は確かめましたので、両方のワクチン接種の希望があり2回別々の接種がスケジュール的に難しい方は同時接種を提案します。

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