けんさく先生の日記
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2023.03.24
不来方のお城
不来方(こずかた)の お城の草に 寝ころびて 空に吸はれし 十五の心
大学時代を岩手県の県庁所在地である盛岡で過ごした私は、東北新幹線で盛岡に初めて到着した日にまず不来方のお城があった盛岡城跡公園(岩手公園)を歩きました。この歌を中学生の時に読んで、盛岡に行くまでは石川啄木の純朴にも感じられる作品に敬愛の念を抱いておりました。寝ころびこそはしなかったものの、季節外れの春の雪が降り積もる公園内をゆっくり雪を踏みしめながら散歩したことを昨日のことのように覚えています。しかしその後、大学の文学の講義などで啄木の人物像を段々と知るうちに、ブログに書くことも憚れるような倫理的にはかなりアウトな人物であることを知り、イメージが全く変わりショックを受けた覚えがあります。
先日行われましたWBCでは岩手県出身の大谷翔平、佐々木朗希両選手が大活躍しました。まるで漫画のようなストーリー。米国との決勝戦の最終回、大谷とトラウトの対戦は、医院の待合室のテレビで患者さんやスタッフのみんなと観て、最後大喜びしました。医院が暇なことがバレますが、これはたまたまということです…。。今岩手にいたら盛り上がってるんだろうな、と思いながら久々に岩手や盛岡のことを思い出していました。佐々木選手の郷里である陸前高田市に関しては大学3年生の地域医療実習で県立高田病院でお世話になり、震災後に佐々木選手が過ごした大船渡には、近隣に五葉山という低山ではありますが有名な山があり、私も好きで何回も登ったことがある、どちらも思い出深い街です。これは私だけの意見かもしれませんが、大谷、佐々木両選手とも私が思う岩手らしい人物像そのものです。朴訥で多くを語らず、温厚で、物事に真面目に取り組む…。無論みんなそんな人間ばかりではありませんが、ただこれは我々、鳥取県人の人物像ともかぶります。私のように社交性のない、まったくよそ者が岩手で何とか6年間生活出来たのも、そういった似通った土地の人柄もあったのかもしれません。
昨日の日本海新聞に住吉小学校のスポーツ少年団野球部に7人しか部員がいないことがニュースになっていました。住吉小学校は米子市内でも比較的生徒数の多い小学校で、このニュースには私も驚かされました。私が小学生の頃、隣の義方小学校は今の住吉小学校とさほど変わらない生徒数だったと思いますが、同校にスポーツ少年団の野球部が複数個存在していましたし、どうも少子化だけの問題ではないようです。19日には春の選抜高校野球の初戦で鳥取城北高校が愛知県の東邦高校に惜しくも負け、WBCとは反対に県内の野球には明るい話題が今のところあまりないようです。
岩手県では最近は大谷翔平選手の母校である花巻東高校や盛岡大学付属高校などが全国でも話題になるような強豪校になり、最近プロ野球選手も多数輩出しています。ただ大谷選手の生まれた奥州市(旧・水沢市)、佐々木選手が過ごした大船渡市も決して元々特別野球がさかんな地域ではありませんし、一時期岩手県の高校野球も一回戦もなかなか勝てない時期が続いた時がありました。鳥取県だから出来ない、ということは決してないと信じています。私のようなものに出来ることは地域の選手やチームに関心を持ち応援することだけですが、こういった些細なことも地域スポーツにとって大事ではないかと最近思ってます。今後鳥取からも世界に活躍できる選手、全国で勝てるチームがいつか出てくることを楽しみにしてます。
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