けんさく先生の日記

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2022.08.03

かかりつけ医に関して

2022年8月2日付の朝日新聞に『かかりつけ医』に関しての記事が出ています(ネットは有料記事です)

「かかりつけ医いない」さまよう患者 制度化めざす国、反発も相次ぐ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

発熱時にはまずは『かかりつけ医』に相談、というのはコロナ禍にあってよく聞くフレーズです。

『かかりつけ医』の定義ですが、日本医師会ホームページからの参照しますと

『健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師』

となっています。

「うちは以前からなんかあったら、山田内科医院に行きます」

大変ありがたい言葉ですが、例えば2年前にインフルエンザのワクチン接種で受診されたのが最後で『かかりつけ医』は山田内科です、と言われますと、私たち医療者と患者さんとの間で『かかりつけ医』の認識の差があるように感じます(ただしそう言われる患者さんの気持ちは理解できます)。定義にありますように『健康に関すること何でも相談できる』というからには、患者さんの基礎的なデータはある程度事前に知っておく必要があると考えています。特に病気もなく会社の健診でも異常なく現役で仕事をされている方は仕方がないと思いますが、特に健診も受けていない、普段どこの医療機関にもかかっていない高齢者の方などに関しては『かかりつけ医』とされる医療機関で年1回でも健診などは受けてほしい、というのが個人的な意見です。

先日ある高齢の女性の方が突然当院に受診されました。その方は某総合病院で内科含め3つの診療科にかかっており、全部で20種類近く薬が処方されておられる方で、病院の先生から「かかりつけ医を作りなさい」と言われ、当院を受診されたようでした。これもうちとしてはありがたいお話しですし、確かに発熱などの対応に関しては当院が便利がよいかもしれません。ただし総合病院の複数の科でそれなりの濃厚な治療を受けているような方までもが、現在の通院先と並行して『かかりつけ医』を作る必要があるのかに関しては、受診の労力、医療費などの面からは議論の余地はあると思います。

この朝日新聞の記事にありますように今後『かかりつけ医』の登録制に関しての議論が更に活発になると思われます。その言葉通り、患者さんが自分の『かかりつけ医』登録する制度ですが、『かかりつけ医』以外の医療機関を受診する場合は負担額を増額、大病院へは『かかりつけ医』が原則紹介、といったことが登録制の基本になるようですので、医療機関受診へのフリーアクセス(受診を希望する医療機関を自由に選べる)の保持を理由に、現在反対の意見も強くまだ簡単には導入されそうにありません。

『かかりつけ医』の制度は今後どう向かっていくかはまだ分かりませんが、当院としては『地域の皆さまに信頼されるかかりつけ医を目指して』とにかく頑張る所存であります。

 

 

 

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