けんさく先生の日記

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2023.01.29

冬は暖かく

昔から季節感がない男、とよく言われております。冬でもTシャツ一枚が多いですし、外出時もTシャツ一枚か、世間体を気にしてその上にダウンジャケットを羽織っていくだけです。寒いのが大丈夫というよりは、長袖があまり好きではないので、セーターは数年着たことがありません。部屋の中でも厚着で暑くなるのが嫌いで、普段から軽装です。ただ訪問診療に出かけたある日のこと、患者さん宅のベットの横に貼り紙があり、おそらくヘルパーさんの私への気遣いでしょうか、『山田先生が寒いので必ず暖房をしてあげて下さい』という患者さん宛てのメモを見た時、さすがに申し訳なく感じましたが… 最近は訪日外国人、特に欧米人が東京や京都の街を冬でもTシャツ一枚で観光している姿を見て、『やっと俺の仲間が増えた』と少し喜んでおります生粋の米子人であります。

冬になると心疾患や脳血管疾患の患者さんが増えます。私が一応専門としている心不全の患者さんが増加する原因に関していえば、寒冷による血管収縮(血圧上昇)、塩分過多(鍋など食事内容の変化)、肺炎などの感染症の増加などが挙げられます。

上記は厚生労働省の主な死因でみた月別の死亡指数のグラフをみていますが、男女とも悪性新生物(がん、肉腫)を除くとUの字になっており、冬季になると心疾患、脳血管疾患の死亡が増えることが分かります。多分こういったデータをみると、雪や寒さが厳しい北海道や東北地方は大変だろうと想像される方も多いのではないかと思います。しかし実際には冬が厳しい地域だけで死亡率が上昇する訳ではないということを取り上げたのが、先日の1月17日に放送されたNHKの『クローズアップ現代』でした。

上の図はNHKの『クローズアップ現代』のホームページからの抜粋になります。これでみますと北海道の冬の死亡増加率は10.3%に対して、鳥取県は19.1%と明らかに多いのです。鳥取県に限らず増加率が高い地域には北関東、四国、九州など、冬も温暖とされる地域も多く含まれています。温暖な地域が北海道より有意に死亡率が高い理由に関しては、以前より室温が注目されています。北海道の冬のリビングの平均室温が19.8℃に対して、鳥取県の平均室温は15.6℃と4℃以上も低い結果になっています。これは北海道の皆さんが暖房などしっかりかけているというよりは、北海道を含めた冬の寒さが厳しい地域においては断熱など寒冷に対して十分な対策をされた住居に住まれていることが原因として考えられています。

番組では断熱改修の提案や窓にカーテンを付ける工夫などが紹介されてました。しかし実際に訪問診療をしておりますと皆さん厚着や電気毛布などはされておりますが、暖房やストーブそのものをまずしていないご家庭、特に独居の方が多いことに気付きます。電気代の高騰や二酸化炭素の排出削減の問題などありますが、まずは暖房をちゃんとつけることを特にご高齢の方には提案したいと思います。Tシャツ一枚男の話しに説得力はあまりありませんが。

 

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