けんさく先生の日記
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2022.12.29
格言
学生時代によく将棋をやっていた時期がありました。囲碁は全く出来ません。今は何十年も将棋を指してないので棋力は何ともいえませんが、誰にも勝てそうにないので盤に向かってみる気すら起りません。相当昔に博多大丸(だったと思います)のイベントで『ひふみん』こと加藤一二三棋士からサインをもらったこともあります。その後、まさかあんな感じで世に出てくるとは思いませんでしたが、その当時から将棋界では若干異質な存在であったことは間違いありません。元々好きな棋士は谷川浩司十七世名人、羽生善治九段の二人で、子供の頃から大ファンです。二人の魅力はいろいろありますが、共通して好きなことは格言の素晴らしさです。当然将棋に関しての格言なのですが、ほぼ実生活、人生に共通して当てはまることばかりで、二人のインタビューであったり、書物にはよく目を通しています。今ならネットで検索してもらえれば、格言の一部はいくらでも出てくると思いますが、窮地に立たされた時の心構え、情報に埋もれ過ぎないこと、決断することの大切さは本当にいつ読み返していても、自分自身に言われているような気がして、二人の格言は非常に大事にしています。
一流の勝負師の言葉は棋士であれ、スポーツ選手であれ、金言が多いです。当然のことですが、羽生九段と同じような内容の言葉を私のようなものがいきなり発しても、同じ価値は持ちません。昔、学校の国語の教科書で大岡信さんの『言葉の力』という随筆を読んだことを思い出します。その中で『言葉というものの本質』が『それを発している人間全体の世界をいやおうなしに背負ってしまう』と書かれていますが、言葉の背後に人間性であったり、生き方が反映されるからこそ言葉は意味を持ち、重みを持ちます。
通常診療で心不全、糖尿病、高血圧などの患者さんに生活指導を行っております。開業医になってからは自分が子供の頃から知っている患者さんも来院されるようになり、そういった方にも指導を行う機会があります。ただしどんなに頑張って色々述べたところで、人間性の薄さはもう多分バレていますので、あんまり言葉が心に届いてないのではないかと不安になることもあります。主に運動や食事療法の大切さを説いていますが、まず自分が不摂生な人間ですので最近は好きなコカ・コーラも少しずつ控えるようにし、多少夜に散歩程度ですが運動もするようにしました。不摂生な人間だからこそ患者の気持ちが理解できる、ということもありますが、まず自ら節制に励み、生活指導の言葉に重みを持たせたいと思います。
今年もあとわずかになりました。通常診療は12月30日の午前までですが、何か急患などの御用がありましたら何時でもご連絡ください。
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