けんさく先生の日記

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2022.09.11

年をとるのも悪くない

少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んず可からず

 遥か昔、高校1年生の一学期にクラスの担任の先生が黒板に大きくこの言葉を書いたことを思い出します。その時はただ年をとりたくないな、くらいの気持ちで黒板の文字を眺めておりましたが、自分もこの言葉をしみじみ感じる年齢になりました。まだまだ勉強が足りない一方で、日々新しく更新される知識についていくのは非常に大変なことで、これは大げさなことではなく気が抜けません。段々記憶力は低下しますし、勉強するにしても昔は1日くらい徹夜しても問題なかった体力も、かなり睡眠時間に依存するようになってきました。要するに年を感じることが多くなった訳ですが、しかし昔がよかったかというとそういう訳ではありません。

 今ブログを書いていますが、大学生以前なら文章を書くという作業を自らやること自体、全く考えられません。読書感想文、反省文、何にしても、コクヨの原稿用紙の半分書くのがやっとで、後は同じような内容を表現を変えてとにかく文字数を稼ぐ、『…と思いました』の連発、本当に文章を書くのが苦痛でした。ブログも後で訂正はしてますが、大体毎回30分もかからない程度で書いてますので、上手い下手はさておき、それを考えると大進歩です。ただしなぜこうなったのか謎です。研究、論文もこのペースで出来ればよかったのですが…。

 最近、昔自分が書いた資料やカルテ記載を目にすることがありましたが、知識も浅く、考えが整頓されておらず、要するに『あんまり分かっていないな、コイツ』というのがバレバレなところを見つけてしまいました。今、これが他の人の目に触れないことを毎日祈っています。そこはたまたまなのかしれませんが(と信じたいですが)、いろんな疾患に対しての基本的な考え方は鳥取大学第一内科に入局して、山本教授など先生方からカンファレンスなどを通じて改めて学びましたし、もう少しで医師になって約20年、この間の経験値はさすがに無駄になっていません(と思っています)。これがもし10年前に開業することになったら、若くていいこともあったと思いますが、今と全く違った開業スタイルになったでしょうし、想像がつきません。

 自分は今40代ですが、山陰労災病院の研修医の時、今の自分と同じ年代の先生方は何を聞いても教えてくれる、本当に頼りがいのある先生達ばかりで、常に目標にしてきました。自分も年を重ねて、そういった先生方に少しでも近づけるように日々精進する毎日です。日々年はとりますが、うまく年をとっていきたいです。

 

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